競馬伝説Live!

Live!スポーツ

Live!スポーツ ロンシャン版 第14号

わずか2戦目 スピード出世

ラストシャットル 菊の大輪咲かす!

一気に頂点の座へ

クラシック最後の難関・菊花賞が京都競馬場で行われ、未勝利戦を勝ち上がったばかりの1番人気『ラストシャットル』(ラインハルト氏所有)が、13番人気で青葉賞の勝利馬『インパクトボルト』(バルビ氏所有)に2馬身半もの差を付け快勝、2勝目にして初戴冠という快挙を成し遂げた。

澱みないペースで進んだこのレース、道中は先頭からしんがりまで約5馬身で、積極果敢にハナを主張する馬もいない状態となっていた。レースが動いたのは残り600mのハロン棒を過ぎたあたりから。後続の馬が外に持ち出してラストスパートをかけてくると同時に、前にいたラストシャットルも動き出し、馬群を割って先頭へと立つ。力強い走りで後続の猛追も意に介さず、悠々とゴールを駆け抜けた。この瞬間、わずかキャリア2戦目・無敗の菊花賞馬が誕生し

た。

「とてもパワフルな走りでしたね。4コーナーを回ったときの手応えが良かったので、これはもういける、と。直線での伸びは目を見張るものがありました。さすがに1番人気になるだけのことはありますね。未勝利戦を勝ち抜いたばかりですが、それだけ目の肥えたファンが多いのでしょうか」と話すのは、鞍上のメイリン騎手。フルゲートの未勝利戦を勝ち抜いた実績が評価されての1番人気に目を丸くしながらも、思わぬファンからの大声援を素直に喜んでいるようだった。

長距離界に突如として現れたニューヒーローの今後の活躍に期待したい。

3度目の正直!

芝の中距離一線級が揃う天皇賞(秋)は、6歳牝馬の『ムーンライトキス』(bigwave氏所有)が制し、今シーズン3月に開催され

たドバイワールドC以来の勝利を挙げた。

好スタートでハナを奪い、そのまま先頭集団を形成。マイペースで道中の流れを作ると、最後の直線で同じく先頭集団を走っていた『メリーザリガニ』(メリコ氏所有)を突き放し、大外から急襲してきた『アカナナダラケ』(吉宗氏所有)を抑えてゴールに飛び込んだ。まさにこの馬にとっての理想の展開での勝利となった。

ムーンライトキスは、bigwave氏自身が所有し、かつて本紙ロンシャン版の第4号で取り上げられたこともある『マナツノドア』を母に持つ良血統。芝もダートも走れる器用な脚で、初重賞は芝のレースで、初GTはダートのレースでそれぞれ獲得している。天皇賞(秋)への挑戦は今回が3回目。1回目の出走では1番人気となるものの、見せ場なく5着。昨シーズン2回目の挑戦では、惜しくもアタマ差の2着。陣営にはこの一戦にかける想いがあったことだろう。

次走はエリザベス女王杯が濃厚。2シーズン連続の3着という屈辱を晴らしておきたいところだ。

ムーンライトキス