競馬伝説Live!

Live!スポーツ

Live!スポーツ ロンシャン版 第8号

リベンジ制覇で引退に花

女王に君臨!デュアルスレッド!

悔しさをバネにつかんだ栄冠

十一月第三日曜に、京都競馬場で行われたエリザベス女王杯。古馬も含めた牝馬最強を競うこの戦いを制したのは、『デュアルスレッド』(夢伝説氏所有)だ。前走天皇賞(秋)、前々走秋華賞のいずれも、ゴール前の競り合いに負け悔し涙を飲んできただけに、この勝利の味は格別だろう。そして、デュアルスレッドはこのレース後、競走馬を引退。自らの勝利でレース人生の幕引きに花を添える結果となった。

さて、肝心のレースの方だが、スタート直後から4頭が横一線でレースを引っぱる形、平均的なペースで展開していく中、デュアルスレッドは先頭集団の中央で飛び出すタイミングを伺う。レースが動いたのは第4コーナーを抜けた直線ラスト2ハロン。ギアを一段切り替えたかのような、ググッと伸びる加速で一気に集団を抜け

出す。ゴール前『ヤシガニ』(ひろたん牧場氏)の猛追をアタマ差で退け、見事女王の座に就いた。

「最後ヤシガニの姿が視界に入っていたから、正直かなり焦りました。けど、なんとか振り切ってくれてホッとしています」とはレース後のあきひろ騎手。デュアルスレッドの引退については、「思い出はたくさんありますが、今後はいい馬を産むことに専念してほしい。本当にお疲れ様と言いたいですね」としみじみと語った。

朝日杯FSへ注目の2歳馬

次シーズンのクラシックへの登竜門、暮れの2歳GT朝日杯FSに向け各馬最終調整に入る中、東京競馬場にて京王杯2歳ステークスが開催された。若駒の争いを制したのは、ジャック騎手の跨る『スペシャルジェミニ』(ニーナ氏所有)だ。

レース直後から中団で力を温存し、ラスト400mで一気にスパ

ートをかけ、ラスト200m『ドリインパクト』(金山悟氏所有)と『フーウラホト』(JGC氏所有)とのデッドヒートを制し、栄冠を手にした。前日から降り続いた雨で重くなった馬場をもろともせず、実力を発揮。その速さから名付けられた“黒い弾丸”のニックネームも決して大げさではない。

すでにスピード・スタミナは申し分無く、2歳馬にして完成した強さを誇るだけに、環境を気にしない精神力で勝利を収めたことは、今後のレースでの活躍を考えても大きな弾みになったのではないだろうか。オーナーのニーナ氏の厩舎には才能ある2歳馬が多いだけに、この環境で切磋琢磨を続ければ、“黒い弾丸”というニックネームそのままに、朝日杯FSでもいい結果を残し、2歳馬最強の地位を確固たるものにすることも決して夢ではない。今後も注目の若駒がまた一頭、その頭角を現した。

スペシャルジェミニ