5戦無敗シーズン終盤に開催される2歳GT。今回は、中央・地方合わせて3戦ある2歳GTのうち、デビュー以来無敗の5連勝で2戦を勝ち抜いた怪物『トランシュショコラ』(リャンペーコー氏所有)に大注目だ。 デビュー戦では6馬身差を付けて圧勝、他馬に格の違いを見せつけた。そして2戦目の新潟2歳Sを制し重賞馬となった同馬は、デイリー杯2歳Sをも制し、3連勝で一気に2歳女王候補にのし上がることとなった。 4番人気で迎えた2歳女王決定戦・阪神JFでは、スタート直後からの激しい先頭争いに一歩も引かず、ややペースが早くなっていく中、横一線となった先頭集団に加わった。同世代の中では段違いのスピードを活かし、最後の直線では頭一つ抜け出し、大接戦となったこのレースを制した。 |
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トランシュショコラの活躍はこれだけに留まらない。陣営は、その2週後の全日本2歳優駿に登録を行い、周囲を驚かせた。騎手は影村遼に乗り替わり、2歳にして踏む2度目の大舞台。このレースでは大外枠からの出走となり、終始外を回る競馬を余儀なくされたが、さすが怪物、この馬にはほとんど影響が無かったようだ。マイペースで先頭を奪うと、そのまま粘る後続を抑え込み、2度目のGT勝利を果たした。その才能の非凡さは、初めての挑戦となるダートのレースにも如何なく発揮された。 阪神JFで騎乗した沖本瞬騎手は、この馬を「気性が良く、非常に乗りやすい。早い流れにもしっかりついていけるし、最後の直線でもバテない豊富なスタミナも兼ね備えた名馬」と称え、全日本2歳優駿で騎乗した影村遼騎手は、「大排気量のエンジンを積んだ、剛性のあるボディの車に乗っ |
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ている感じ。加速の力強さは世代ナンバー1でしょう」と語る。
当然、トランシュショコラには来シーズンの牝馬クラシック制覇の期待がかかる。「現段階ではまだ何とも言えない」と陣営は話しているが、次走はおそらく桜花賞トライアルのチューリップ賞やフィリーズRといったところを思い描いているはずだ。目指すは桜の女王。今後もこの怪物牝馬から目を離すな!
朝日杯FSを父子制覇!
12月3週に開催された2歳王者決定戦・朝日杯FSは、4番人気の『マーティンダーク』(落ち武者氏所有)が制した。かつて父も制したこのレースで、見事GT馬の栄冠を手にした
最内枠からのスタートで、やや遅れ気味にゲートを出たマーティンダークは最後方に位置取り、前を見ながらの競馬を展開する。4コーナーを回りながら外に持ち出し、馬場の真ん中から鋭く伸びると、『コルネドレ』(リャンペーコー氏所有)との叩き合いをクビ差制してゴール。
来シーズンはぜひとも苦手なゲートを克服し、さらに成長した姿を見せてくれることに期待しよう。