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Live!スポーツ ニューマーケット版 第15号

久々の美酒

砂のダービー馬はエスロード!

初ダートで才能開花!

3歳ダート馬の頂点を決める戦い・ジャパンダートダービーが7月2週に開催され、6番人気の『エスロード』(ジンベイ氏所有)が前に出る積極的な競馬でこのレースを制し、3歳最強ダート馬の座に就いた。

今回テン乗りとなった半袖騎手の冷静な判断により、あえて内側に進路を取らず、互いをけん制するかのように折り合いを付けた。「無理せずいい形で乗れてましたよ。パワー溢れる走りで、抑えていくのが逆に大変でした」半袖騎手は、長袖の勝負服を腕まくりしながら、自ら会心の騎乗を振り返った。

かつてラジオNIKKEI杯2歳Sと京成杯を連勝し、クラシックの有力候補として名を連ねていたが、1番人気で迎えた皐月賞トライアル・弥生賞で4着に敗れると、その後は善戦しながらも勝ち

星からは遠ざかった。「馬体を併せると元気がないね。競り合いに弱いのかな、多分気持ちが優しいんだろうね。他の馬に進路を譲っちゃう」と、この日もスタンドで観戦していた元厩務員・川村光氏は同馬を分析する。

前走の宝塚記念を3着で終えた後、陣営は連戦でジャパンダートダービーの出走登録を行い、周囲を驚かせた。この馬の誕生当時を知る牧場長の柏木氏は、「ダートの適性能力は決して低いわけではないんですよ。ただ、どちらかと言えば断然芝の方が向いていますから、私はダートのGTレースを勝てるとは思っていなかったんですけどね。総合的な地力の差が出たんでしょうか。相手関係にも恵まれたんでしょう」と語る。

今後は、おそらく芝路線に戻って秋に備えることが予想される。夏の間はじっくりと調教を行い、弱点をなくしていくことが課題となるだろう。

フレッシュなニューフェイス達

有力な2歳馬を紹介するこのコーナー。ここで紹介された馬が後々活躍するのを見ると、記者冥利に尽きる。紹介された馬も、紹介されなかった馬も、それぞれ上を目指してがんばって欲しい。今回は2頭紹介してみよう。

最初に紹介するのは、『ワイルドパンチ』(魁まっちょ競馬塾氏所有)。走るときの素晴らしいフォームが印象的で、もともと素質の高かったスピード能力を、調教によってさらに鍛え上げたようだ。レースでは異次元のスピードで駆け抜けるだろう。この馬に追い付ける馬は、はたして存在するのだろうか。

次に紹介するのは、『ルナラスベガス』(レオ氏所有)。落ち着いた雰囲気漂う牝馬で、育成過程において丈夫な肉体と度胸を身に付けたようだ。取材中も全く物怖じしない肝の据わりっぷりはお見事。主に中距離戦線で活躍が見込めそうだ。

ワイルドパンチ / ルナラスベガス