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Live!スポーツ 阪神版 第15号

夏の重賞最前線

ガルフサタン 無傷の4連勝

マイル王への道着々

夏の重賞レースには、秋に向けた前哨戦となる重要な意味合いを持つものがある。11月に開催されるマイルCSの登竜門として知られる関屋記念も、その中の1つである。先日行われたこのレースを制したのは、デビュー以来負け知らずの『ガルフサタン』(ガルフ氏所有)。4連勝で完全に秋のマイル王を射程圏内に捉えた。

『ビフズメント』(武藤氏所有)が単騎逃げでペースを作り、ガルフサタンは後方の馬群を引っ張った。終盤までレースはもつれ、新潟の長い直線ですさまじい攻防が繰り広げられたが、内枠発走で前を行く競馬を展開したガルフサタンが抜け出し、1と1/4馬身差をつけてゴールした。

デビューが少し遅く、同世代のマイラーが頂点を目指して火花を散らしたNHKマイルCの2週後に、満を持して静かにデビュー

を果たした。順調に条件戦を勝ち上がり、古馬との対戦も難なくこなした。「デビュー前の追い切りでこの馬に初めて乗せてもらったんですが、ものすごい才能を感じました。デビューを遅らせたのは、オーナーサイドや厩舎の関係者で協議した結果ですし、正しい判断だと思いますよ。秋の本番に向けて、万全の体制で挑みたいですね」と、ガルフ騎手はレースの興奮冷めやまぬ様子で語る。

この勢いそのままに、一気にマイル王への階段を駆け上っていけるか。

夏の小倉はトゥウィーカ!

夏の小倉のメインレース・小倉記念が8月1週に行われ、2番人気の『トゥウィーカ』(極道神風蹴氏所有)が制した。3歳の12月3週にデビューした遅咲きの競走馬が、6勝目にして初めての重賞勝利を挙げた。

好スタートを決めハナを奪う

と、そのまま先頭を譲らずにレースを引っ張る展開に。最終コーナーを回っても脚色は衰えない。前走のオープン戦を勝利して、波に乗る3歳馬『ショーテングルーヴ』(円楽氏所有)の強烈な差し脚をハナ差で制し、見事な逃げ切り勝ちを見せた。

「他に前に行く馬がいませんでしたからね。いいスタートだったので、そのまま流れに乗って先頭に出ました。馬が気持ちよく走っていたので、無理に抑えなかったですよ。最後は負けたかと思いましたけど、ギリギリで粘ってくれたようですね」霹靂騎手は、レースを振り返って満面の笑みを浮かべた。

デビューは1200m、その後はスプリント・マイル戦線を進んでおり、今回2000mの距離は初めての経験。なかなか幅広い距離適性を持っているようだ。次のレースの選択にも幅が広がりそうだが、陣営にとっては嬉しい悩みとなりそうだ。

トゥウィーカ